多文化共生とは、総務省の発表では「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的ちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」としています。
毎月皮から作る餃子交流会を開催している身として、この「多文化共生」という考え方に強く共感します。皮から作る餃子交流会の活動の趣旨は、餃子作りを通じた国際交流です。そのため、毎回多くの留学生と、国際交流に興味のある方々が集まり、一緒に皮から餃子を作りながら交流し、お互いの文化の違いを認識し、相互に尊重しながら親睦を深めています。
語学といえば英語?
言語を学ぶと言うと、直ぐに英語が頭に浮かぶかと思います。書店の学習コーナーにも、英語の辞書、参考書、問題集が棚のほとんどの割合を占めています。では、日本人の英語能力が全体的にアップすることが、「多文化共生」への最適解かと言うと、違うと思います。何故なら、日本に住む外国人の多くは、非英語圏内から来ているからです。
日本在住の外国人数(国籍別)2020年版
順位、国名、人数、構成比、前年比較増加率
(1) | 中国 | 786,830人 | (構成比27.3%) | (- 3.3%) |
(2) | 韓国 | 435,459人 | (構成比15.1%) | (- 2.4%) |
(3) | ベトナム | 420,415人 | (構成比14.6%) | (+ 2.1%) |
(4) | フィリピン | 282,023人 | (構成比 9.8%) | (- 0.3%) |
(5) | ブラジル | 211,178人 | (構成比 7.3%) | (- 0.2%) |
(6) | ネパール | 95,367人 | (構成比 3.3%) | (- 1.5%) |
(7) | インドネシア | 66,084人 | (構成比 2.3%) | (- 1.2%) |
(8) | 台湾 | 59,934人 | (構成比 2.1%) | (- 7.5%) |
(9) | 米国 | 57,214人 | (構成比 2.0%) | (- 3.3%) |
(10) | タイ | 53,344人 | (構成比 1.8%) | (- 2.7%) |
*令和2年10月9日 出入国在留管理庁HPより抜粋
上記の表から、日本に住む外国人は、中国人、韓国人、ベトナム人の順に多いことがわかります。では、中国語、韓国語、ベトナム語などを普及させていくことが、「多文化共生」なのでしょうか?これも難しいと思います。一つの言語を学び使えるようになるまで、多くの年数がかかってしまうからです。
日本に住む外国人の方々には、「日本語」をしっかりと学んでもらうことが、「多文化共生」に繋がると思います。日本在住の外国人に出会った際は、その方のレベルに合わせた日本語を話し、教えていくことが大切だと思います。これは、言語だけでなく、日本でのルールやマナーも含め、伝えていく必要があると思います。その上で、外国人の方々の持つ、多様な文化や考え方も認め、尊重する必要があると思います。
留学生の存在
留学生の受け入れ拡大は、「多文化共生」にとって重要な役割を担うと思います。
「移民」と聞くと、条件反射的に批判の声が挙がってくるかと思います。そのため、日本では移民政策は行わないようにみせながら、実際は多くの技能実習生などの受け入れを拡大させています。ただ、こういった技能実習生の受け入れは、別の問題をはらんでおり、手放しに喜べません。
技能実習生とは別に、海外から日本に留学に来てくれている方々は、学費を払い、日本に住み、学んでいます。こうした留学生の多くは、学校を卒業後、帰国してしまいます。彼ら彼女の多くが、日本で就業もしくは起業することが、日本経済の発展に寄与すると思います。何故なら、単純作業をメインとした技能実習生の目的は、母国への送金なので、日本国内での消費は限定的です。これに反して、留学生が日本に残り就業した場合、仕事を通じて納税し、日本国内で消費が発生します。多くの留学生が、日本での生活に馴染めず、帰国してしまっている現状は、非常にもったいないと感じます。留学生には、日本のコミュニティに入り込んで欲しいですし、日本人は温かくそれを迎え入れて欲しいところです。ここでも、相互理解と相手を尊重する気持ちが大事になってくるかと思います。
コミュニティへの参加を促そう
日本に住む外国人同士が集まり、独自のコミュニティが形成されています。同じ国の出身者同士が集まり、助け合いながら暮らすことは悪い事ではありません。ただ、それが大きくなっていくと、日本人コミュニティと外国人コミュニティとの分断が進み、軋轢が生まれてしまいます。「多文化共生」をしていくためには、日本人と外国人がお互いに歩み寄り、お互いを尊重できるコミュニティを育て大きくしていく必要があるのではないでしょうか?
大事なことなので、もう一度記載します。
「多文化共生」とは、「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的ちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」です。
排他的な考えや取り組みが、悲惨な結果を引き起こした事実は、歴史の教科書に多く書かれています。
皮から作る餃子交流会は、「多文化共生」の取り組みや考え方を取り入れながら、今後も活動を続けていきます。
皮から作る餃子交流会の今後の開催日程はこちらからご確認頂けます:
難しいことは抜きにして、留学生と一緒に皮から餃子を作り、焼いて(煮て)、食べながら交流しませんか?
皆様のご参加をお待ちしています。
~欢迎热烈大家的参加~
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